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armonia 倒木更新 赤堀里夏 |
成仏の間 李準美 |
目覚めの家 久木田茜 |
旧い建物の中に、ボールが一直線に並んでいます。物理の実験道具のようですが、倒木更新のイメージをゲノムやDNAのようなもので表現しているとのことです。倒木更新ではなく、土に還るか。 | ピンクが基調で、ファンタジーというよりエロスの感覚がする空間です。成仏を荘厳なイメージで考えるのは日本の寺院を見すぎで、ひょっとするとこちらが本来なのかもしれません。仏は身近か。 | さまざまな障子が、障子紙なしで縁側に立てかけられています。障子は内と外の隔たりが絶妙で、日本の美意識の根幹部分かもしれません。しかし、障子紙を貼りたくなったのは私だけか。 |
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時間 トマーシュ・ウェンドランド |
Honeycomb room 森本一朗 |
daydream believer 正親優哉 |
立てられたドラム缶の上に、液体と小さな置物が配置されています。独特な匂いもありました。五感で感じるのが時間か、五感をつかっても歪めようがないのが時間か。 | 蜂の巣をイメージしてつくられた、木と一体化した遊具です。中から顔をのぞかせると、蜂になった気分です。眺めはそんなによくなくても、木の上は別世界か。 | これも三次元の鳥獣戯画のような、コミカルな蛙ですが、かくれんぼには最適です。同じものが他にないことが、遊具としてのワクワク感を増しています。よじ登るか、隠れるか。 |
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三十三畳の世界から 森家由起 |
朧 久保田磨美 |
彼方 山口貴子 |
時代劇に出てきそうな三十三畳の、畳と襖の間ですが、そこに飛翔する鳥の軌跡のようなものが、繊細に浮かんでいます。時間と空間の移り変わりか、移り変わらなさか。 | 羽毛布団の内側だけのようなベッドが、脚もなく空中に浮かんでいます。朧のような、境目のなさ、蚕の吐き出したばかりの糸のような新鮮さが感じられます。幻か、マジックショーか。 | 床の間と違い棚のある、純和室です。少し高級な旅館のようでもありますが、なんとも非現実な感じも漂っています。寂しさも醸し出されています。一句詠めるか、一首詠めるか。 |
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眼差しの交差:対話を生むために 喜多村徹雄 |
空間収集-中之条- 佐藤隼 |
キゴヤの詩 外丸治 |
Macを駆使してつくったような、建築デザインのようなラフデッサンが、塗料を乾かしているように立てかけられています。旧家は、それだけで博物館のようなパネルをつくれるネタがあるか。 | 自分が小さい頃、和室には丸い蛍光灯を隠すような、偽和風ともいえる傘が吊るされていました。それを、ありったけ横置きしています。時代の遺物か、まだ健在か。 | キゴヤは、木小屋でしょうか。道路も立派に通っていますが、なんとなく山小屋のような手作り感があります。秋の、これから日が暮れる時間に行くと、とてつもなくせつないです。日没か、灯りか。 |
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中之条気象台-フリソソグモノニツイテ 藤井龍徳 |
名前をつけよ 山田沙奈恵 |
place/hole 鈴木孝幸 |
ビニールに入った、水が整然と、所狭しと吊るされています。金魚はいません。食べ物や着物、陶芸などをつくる途中の工程でもありません。水不足にも備えていません。これを猫避けとしたら、虎も避けられるか。 | 真っ白な大きな垂れ幕が多数吊るされていて、その下の床に、虫とか、植物とかのさまざまな名称が彫られています。白い垂れ幕に書かれる名前の候補のようです。今年の漢字か。 | 稚蚕飼育所には、多くの小部屋がありました。養蚕の経験はないので、用途はわかりません。そのいくつかには、信仰のような感じで石などが配列されています。洞窟の神社か、賽の河原か。 |
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川とその他の流れ 星田大輔 |
あちらのこちら こちらのあちら 三木サチコ |
めぐりくる 小板橋慶子 |
文化財のような趣を感じさせる四万温泉の旅館、積善館を夜、外側から眺めると、もうひとつの巨大な月が浮かび上がっています。夜の蜃気楼か、月の幻か、特別な太陽の蝕か。 | 宇宙人が方向を示しています。数学の問題でよくある、正直村とうそつき村の住民に実際に出会ったような気になります。さて、どちらを信じるべきか。 | 群馬らしく、繭の作品は多いのですが、天蓋のように、ベッドまで繭の通路ができており、光が差し込んでいます。この空間にどう誘うか。 |
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積み木力発電 マエノマサキ |
大気の住処 -木(気)の流れ- 石坂孝雄 |
ジャガイモのために -沢渡大火- 田島鉄也 |
小屋に積み木が置いてあり、積み木でどう発電するかというアイデアを見る人が黒板に書くシステムです。相対性理論や、人が驚くエネルギーで発電などが書かれていますが、ひょっとして人が集まること自体が発電か。 | 柱をつくったあとの端材で、天井のない小屋をつくり、中央に椅子を置いています。行ったときは無風で目に見える流れは感じませんでした。それでも気は流れているか。 | 戦時中、学童疎開の生徒にジャガイモを食べさせるため、焼畑にしようとしたら火が燃え広がって、火災がおきた痕跡です。ジャガイモのオブジェが置かれています。優しい愛は伝わったか。 |
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遡及空間(そきゅうくうかん) 中村岳 |
犬の散歩道 -暮坂高原の山道再生プロジェクト スタン・アンダソン |
中之条の壁 あるいは中之条地区で消費された段ボールの箱を積む 高島芳幸 |
廃墟を、真っ白な橋や柱でつなげています。アスレチックのようで、展望台のようで、秘密基地のようでもあります。しばらくすれば、それも含めて廃墟になるのでしょうが、つくるほうが楽しいか。 | 山道再生なので、15.5kmのコース。ビエンナーレ最大の作品です。その入口に、結界のようなオブジェがあります。誰を禁制しているのか。 | 段ボールをうまく積んでいます。飲料、野菜、雑貨などの段ボールが多く、決して大きくない経済規模であることがわかります。一マスだけのフリーマーケットのようにも見えます。何を売るか。 |
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自然という傘 半谷学 |
土壁の小屋プロジェクト(芝棟-屋根の花園) 熊谷雅 |
海峰 浦部裕光 |
雨は避けられませんが、風を感じることができる傘です。晴天に白は映えます。雨降りにはこの傘、恨めしいかもしれません。何を避けるか、それとも掴むのか。 | 自然の恵みを最大限に活かした建物です。建物には耐久性とか保温性とか、いろいろありますが、目的によってはこれで十分なのかもしれません。安心感とは、またすぐつくれるということも含まれるか。 | ただの岩のように見えますが、横に眼があって、土の中から巨大な魚が空に向かって顔を出している様子を表しています。古代は海だったのか、化石はきっとこんなふうに見つかるか。 |
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智恵の館 大野公士 |
線 律 三宅光春 |
プラネット 吉田樹人 |
廃車の部品で、廃車を囲む。智恵の館というより、巨大な知恵の輪です。すべてを解いたら、クルマは動き出すのか、そのときのクルマはひょっとして空を飛べるか。 | 糸で布が吊るされ、大きな空間が上下に分けられています。それをふわふわの床の中二階から観覧。なんとも落ち着いて、眠くなる空間です。糸の力は空間を裂くのか、それともつなぐのか。 | 小学校のときにあった遊具ですが、これに乗ることはできず、ビニールハウルの中でゆっくりとくるくる回っています。乗れないのは、小学生に戻れないことの象徴か。 |
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多すぎる幸せ 小林正樹 |
message -絶滅シタ野生蘭 馬場恵 |
flow of Timeless ケイティー・アームス |
宴のあとの様子ですが、器が酔ってる場合でないぐらい高級に見えます。そして、無数の四つ葉のクローバー。幸せはこのままつづくのか、つづいてほしいと願うための宴か。 | 蘭は数千から数万種類あるそうですが、野生蘭は180種程度です。自然絶滅した野生蘭が、ちょっと前の史料のように展示されており、時間が還らぬものであることがわかります。蘭は交配するものか、絶やすものか。 | 器、布などさまざまなものが、棚の枠内にいくつか整然と並べられています。幼稚園の頃読んだ、「数のえほん」の実写版のようでもありますが、ちょっと怖い雰囲気もあります。いつの間にか数が増えるか、皿屋敷か。 |
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B |
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ゆ め く り 海津研 |
こどもわーくしょっぷすくーる @ぐんだいびじゅつ |
四万あかり 山重徹夫+地元のみなさん |
箪笥に腰かけているのは、雪女のような小人です。7人の小人というより、座敷童子に近い雰囲気です。遠野物語の世界です。昔話の挿絵は、実際に動くか。 | 現代アートは、観賞者とともに創りあげるものも多くあります。これもそうで、ガチャの再利用といったところです。外側にキャラクターなどの顔、中に願いの紙が入っています。これこそ当たりか。 | 四万温泉街の川向こうの竹の一部がくり抜かれ、そこにあかりが灯されています。竹取物語の世界ですが、私がいくつか探したところでは、かぐや姫は見つかりませんでした。すでに、おじいさんの元か。 |
番外1 |
番外2 |
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商店街絵画(シャッター) 上原菜摘 |
嵩山 | |
正式な作品番号は付けられていませんが、商店街のシャッターにも、いくつかアートが描かれています。昔話の作品のような雰囲気です。シャッターが閉まったあとも、楽しいか。 | 嵩山(たけやま)です。現代アートの醍醐味は、自然あってのことです。自然を堪能しながら、ドライブしながら、会話しながら楽しむから無数の見方ができます。最大規模の作品か。 | |