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そこを見る(中之条) 安田暁 |
まるで山を作るように 村上友重 |
うたかた 志村陽子 |
中之条駅前、通運ビルの2階にあります。地図と道路の関係のようにも、物体の影の比率のようにも、単にひび割れの修復のようにも見えます。何が見えるか、何も見えないか。 | 白一色です。旧い建物の一室を、ただ全面白にしただけですが、形容しがたい雰囲気があります。窓から見える山か、心の中の山か、ここがすでに山ということか。 | 道路と施設の間の水場に、鍾乳洞のような模様が浮かんでいます。固定されているのかと思いきや、それ自体がゆらゆら漂っています。流されるか、流れるか。 |
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ひとつの断片-ゆりを持つ- 中澤小智子 |
Tell me the truth 堀越達人 |
空き地 斉藤邦彦 |
壁から真っ白な手が突き出ていて、百合を持っています。相当シュールですし、気づかず夜見たら叫びだしそうですが、穏やかさもあります。この百合を、受け取る勇気はあるか。 | 少し気が強そうなアジア系の女性が無理して無口でいるような絵があり、がらくたっぽいものが白に塗られて円形に置かれ、Tell me the truthという字が浮かんでいます。すべてTruthか、そうでないか。 | 家の裏の空き地に、電柱と電線の影が写っています。ではなく、実在の電柱と電線に合わせて、影のようなペイントがしてあります。影が写る時間は、どれが本物か、それとも一致するのか。 |
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a stake in the river 赤川純一+進藤友貴+舟迫真由 |
その、ときの、ひかり 糸井潤 |
庭とする 小林達也 |
いくつかに区切られた映像が、目まぐるしく切り替わりながら投影されています。過去、現在、未来が留まらないことを水の流れのように示しているとのことですが、サブリミナルもひょっとしてあるのか。 | 掘りごたつのような、囲炉裏のような作品ですが、あたたかい光があります。ちょっと高級な注文住宅に設えてありそうです。見たときは暑かったが、冬はここでみかんを食べるか。 | 「庭」には、庭園というだけでなく、馴染みの場所という意味もあります。つまり、意識次第で庭にも、そうでないものにもなるわけで、強引な解釈も許されます。しかし、程遠すぎないか。 |
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between 竹中優香 |
雨のあとの狩り 花田千絵 |
赤の庵 松枝美奈子 |
「庭とする」の後ろに旧酒造らしいタンクがあり、その横にフェンスがあります。人とひとの間にある見えないフェンスから、人の立ち位置を探る作品とのことですが、居心地がいいのは、フェンス全体が見える位置か。 | ディテールはあまりはっきりしていない作品ですが、全体の雰囲気からタイトルがよくわかります。ベストアングルは、躍動感あふれる場所か、愛らしさが垣間見える場所か。 | 元々は、赤い糸が円形に垂れ下がっているのみの作品で、それに鑑賞者がメッセージを書いて吊るしていきます。最終日の作品、ほぼ完成形の華やかな現代の七夕です。短冊の数は計算どおりか、意外か。 |
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ビフレスト-橋- 藤原京子 |
Parallaxes view 佐藤イチダイ |
葉脈のカーテン 小野さやか |
ビフレストは、地上と天界を結ぶ神話の橋、脆く不安定な橋が光の加減で示されています。一度渡ると、戻ってこれないのか、それとも渡ることすらできないのか。 | 観光地にある写真撮影用顔出しパネル、あるいは自分のアバターをつくるときのパーツのようですが、あくまで絵です。絵の中に入っていけるか、それとも、絵として見ていることが虚構か。 | 葉脈を貼り合わせた、光を透す繊細なカーテンです。とてつもなく軽そうなカーテンが風に揺れていて、爪とか引っ掛けたら台無しになりそうで、だから高級感があります。これを纏えるのは妖精か、雪か。 |
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gold experience 戸島大輔 |
彫りダシモノ 古川葉子 |
チョコレート・ドリームス おおば英ゆき |
本を模した造形が、少しずつ崩れていき、最後は粉になっています。いくら記録に留めても、時間の流れ自体は変えられないことを示しているようにも見えます。記録の崩れと見るか、構築と見るか。 | 木の形を活かした、なんともゆわんとした造形があります。元々木自体に魂があって、それを彫ることで見つけるだけ。と言えば円空彫りですが、円空よりはるかに磨いています。機能美か、無駄の美か。 | 溶けたチョコの形はともかく、相当強烈なチョコの甘い香りがします。アメリカのアイスクリーム屋のようで、非甘党には辛そうです。チョコの造形か、チョコレートフォンデュか。 |
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新聞紙でつくる建築 アマテラス都市建築設計+あがつま御縁屋 |
たけやまNight 橋本直明 |
ここからも あの山がみえる 星野博美 |
題名のとおり、新聞紙でつくったハウスです。強度をしっかり計算してというより、けっこう適当に積み上げたように見えますが、これでも意外に大丈夫なようです。過去の人が思い浮かべた情報化社会か。 | 狭い空間の中で表現する、茶室アートは日常生活とかけ離れたものが多くありますが、これも例外ではありません。落ち着かない茶室か、現状を打破する茶室か。 | 昔の白黒写真のようにも見えますが、新聞紙のコラージュで嵩山の風景を表現しています。新聞紙のコラージュといえば、昔の犯行予告のようですが、昔の生活感も表現されています。昔の人々の気持ちは、浮かび上がってくるか。 |
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すべて、呼び起こされる 山越梓 |
跡 2013 齋木三男 |
慧 大野公士 |
写真からはほとんど何かわかりませんが、手前から多くの糸が白い布を引っ張っていて、そのぴんと張った形で、家具やこたつの配置などを示しています。一家団欒の記憶が、逆回転で甦るか。 | 磨かれた石のベンチに、水紋があります。いずれ平坦になりそうですが、石なので水紋は微動だにしません。周囲も静かすぎる場所です。水紋が止まっているのか、時間が止まっているのか。 | 廃車を庭石のようにオブジェとして飾り、苔などと合わせて観賞できます。縁側もつくられています。作家の方が丁寧に苔に水を遣っているところは現代アートらしいところです。廃車もいずれ木々で覆われるか。 |
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見えない記憶 三浦かおり |
合戦 伊藤隆之 |
frog floor 正親優哉 |
素麺や染物のように糸や布が寒風に晒されていると思いきや、大きな法被が吊るされています。この倉庫からも、祭に繰り出す人々がいたということか。 | 南蛮画のような、お洒落すぎる合戦の絵です。国籍や性別もよくわからない人物が、芸術的すぎて役に立ちそうもない武器を持っています。合戦か、虚構か、平和か。 | かえるの中でも、ウシガエルはちょっと、という人も多いと思いますが、そんな蛙が畳にきれいに同じ方向を向いています。こうすると、お殿様に対して「はは~っ」と頭を下げているようです。三次元の鳥獣戯画か。 |
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光の触覚 -旧伊参中の昇降口・階段・小部屋- 石坂孝雄 |
時灯 鈴木泰人 |
空の下で 上光陽 |
旧伊参中の昇降口・階段・小部屋に、真新しい木の端材が一見無造作に置かれており、通せんぼしているようです。廃校に不法投棄された廃材のようでもありますが、木はきれいです。ゴミか、資源か、アートか。 | 窓ガラスがステンドグラスのようになっていますが、そのデザインは水彩絵の具をつかった技法にありそうです。テレビの画像の一瞬の乱れのようでもあり、このあと何か映りそうです。静止画か、動画か。 | 黒板にチョークの粉だけで描かれた雲です。小学校の頃、黒板にいろいろ絵を描いて遊んだことはありますが、これはとにかくリアルで、今にも雲が流れていきそうです。これも静止画か、動画か。 |
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光の影 丸山勇樹 |
to infinity and beyond 元木孝美 |
PIXEL WORKS couch |
木の床の上に透明なケースがあって、フィルムのような写真が下にあって、その上から光が当てられています。ただそれだけです。やっと探し出したアーカイブされた過去の映像か。 | 飛行機の模型が、離陸時のような形で空間に多数配置されています。小さい頃、ブーンとか言いながら模型で遊んだ、そんなイメージです。コマ送りか、逆回転か。 | ネット上の画像に「GIF」が多かった頃は、読み込み終わるまでモザイクがかかっていました。そんなイメージがリアルの世界で再現されています。いつ読み込み終わるのか。 |
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葉脈のフロッタージュのカーテン 小野さやか |
ハウス野菜プロジェクト 飯野哲心 |
ジェット二宮金次郎 飯野哲心 |
少し色のついた薄いレースのカーテンに光が差し込んでいるように見えますが、これもNo.25の作品と同じく、葉脈でできています。再構築された木漏れ日か。 | 校舎のすぐ隣のビニルハウスで、キャベツがつくられています。これだけだと学級農園ですが、ビニルハウスの窓が近未来的で、潜水艇の内側のようです。ドラえもんの秘密道具で、食べ物をつくっているか。 | 小学校に馴染みの深い二宮金次郎が、飛行しています。二宮尊徳はコツコツ勉強して立派になった人のイメージが強いですが、コツコツと真逆の像で、イメージを覆しています。二宮金次郎も構造改革か。 |