北アルプス国際芸術祭

長野県大町市を中心とした国際芸術祭「北アルプス国際芸術祭」が2017年6月4日から7月30日まで開催されました。

作品の写真と紹介、感想を報告します。

2017年08月19日更新

北アルプス国際芸術祭

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土の泉 淺井裕介	龍(たつ) パトリック・トゥットフオコ	夢の部屋 大岩オスカール
大町エネルギー博物館の外壁です。たぶん、元は殺風景なコンクリートの打ちっぱなしだったのでしょう。これで、裏からも絵になる博物館になりますが、クライミングできそうな気もします。	大町ダムをおおきな目で見張っています。ダムは洪水防止、用水の確保、発電などさまざまな目的があり、この作品のようには見えませんが、たくさんの「目」で状況を把握し、管理しています。	すべてが逆さまの部屋です。寝っ転がると物が逆さまに見えるので、それを具現化したともいえます。しかし、重力に逆らった空間はなんとも不安定です。時計も2が5に見えたり、夢現の世界です。
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不可視な都市：ロング・グッドバイ 新津保健秀＋池上高志	ACT マーリア・ヴィルッカラ	山の唄 大平由香里
夏の暑い日ですが、スリッパを履いて地下に向かうと、雪を踏みしめているような空間に出ます。しかし、冬の間の雪ではなく、何か別の物質のようです。これも夢現の世界です。	野外ステージの指揮台の上に立つと、観客席との間にミストが降りてきます。さらに後ろにはからくりで演奏される楽器のようなものが配置されていて、あたかも主役になったような演出です。	和紙をつぎはぎして造られた、素掘りのトンネル風の作品です。ただし、壁の色は光があたって不思議なグラデーションになっており、中国の張掖丹霞地貌のような感じ？の色彩です。
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ベールの向こうに Caitlind R.C. BROWN&Wayne GARRETT	ウォーターフィールド(存在と不在) アルフレド&イザベル・アキリザン	雲結い(くもゆい) 五十嵐靖晃
少し寂れた観光地は廃業したお土産屋さんや民家がそのままになっていて、残念な風景になっちゃいますが、ここはそれを白布で覆って、なんとなく作品にしています。しかし、残念は残念です。賑わってほしいです。	夏休みの自由研究、工作で空き容器を使った船は、何度か造ったことがあります。ここはそれの本格派です。廃物船が船団を組んでいます。ごみか宝か、再利用か暇つぶしか、でも確かに存在しています。	屋外の作品では、空に向かうはしごなど、無限である空をテーマにしたものが多くあります。ここでは、一本の柱に大きな糸が撚られていて、雲を結っています。しかし、今日はまだ結いが足りないらしく、晴れてくれません。
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信濃大町実景舎 目	無限折りによる枯山水 鷹狩 布施知子	風のはじまり リー・クーチェ
伝統的な民家の内側を、漆喰のようなものでやんわりとコーティングしています。そのため、直線と直角の多い建物が、優しくてきれいな空間になっています。ただし、利便性は無視しているので、2階に行くのは迷路のようです。茶室のような空間です。	メイン作品は撮影禁止だったのでエントランス作品のみです。一枚の紙から蛇腹のような折り方で枯山水が表現されていました。アーティストの布施さんもいらっしゃいました。大作の限界は手の長さで決まるそうです。	かなりの雨になってきたため、ぬかるみをがんばって歩いてたどり着いた作品です。でもそのため自然と一体化した感じが増しています。ここから工夫して、人は雨露を凌いできた、といった作品です。
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Bamboo Waves ニコライ・ポリスキー	集落のための楕円 フェリーチェ・ヴァリーニ
大きな竹を編んで、シンボルとなる作品が造られています。晴れていれば青空に映えるはずです。しかし、竹はたくさん雨が降る地域のものなので、これもありかなという気もします。	写真の加工はありません。黄色のテープを家、車庫、倉庫、木などに貼って、このような景色をつくっているため、角度が少しでもずれると楕円になりません。その場に立ってはじめて気づくのは、楕円のほか、のどかな里山でもあります。