2011年1月16日。年に1度の自動車のお祭り、東京オートサロンに行ってきました。
モーターショーは社会派の展示会になりつつありますが、これはあくまでクルマへの欲望の展示会ともいえます。でも、それだけに活気があります。これにどういった意味があるのかとか、無駄とか、悪趣味とかそういう話はなしです。見ているだけで面白いし、よく考えると、日本経済にいま必要なのは、こんな物欲なのかもしれないと思います。
小さい頃、夢のくるまを画用紙に描いたとき、こんな感じだったのではないかと思います。それがそのまま実車になったといえます。ランボルギーニカウンタックのような洗練さはありませんが、手作りなイメージが、より夢の実現という世界感へと誘います。
ここまで来ると、完全にレーシングカーに見えますが、公道走行可能です。ナンバープレートの取り付け位置も決まっています。レーシングカーで東名を走りたい。そんな夢が叶います。
よく見ると、ウインカーやバックミラーがちゃんとあります。もちろん、安全や環境の基準をクリアしているということでしょう。
ちなみに、F1マシンなどはタイヤの上部がむき出しになっていますが、これは公道を走れません。公道を走るにはカバーが必要ですが、その時点で随分イメージが変わってしまいます。
自動車マニアの間では、ハチロクはまだまだ根強い人気があります。「頭文字D」だけではありません。25年目を迎えたハチロクは、普通に考えればクラシックカーの領域に近づきつつありますが、オートサロンには毎年2~3台あります。ハチロクの対抗車、180SXはあまり見なくなりました。
ハチロクのとき生まれていなかった人が、免許を持ってクルマに乗っている時代です。今年のクルマで、あと25年、2036年までオートサロンに出品されているクルマはあるでしょうか。そう考えると、クルマの領域を超えたモノであることがわかります。
ケータイのデコは日本のカルチャーの典型のようになっていますが、クルマだってデコるんです。元々、かわいいデザインのcocoaをベースにするあたり、よく考えられています。
ヘッドライトなどにかからなければ、基本的にデコは自由とのことです。ど派手なクルマが多いオートサロンの中では、控えめともいえますが、実際に走っていても奇異な感じのしない、ちょうどいいところかもしれません。
上のクルマと比べて、超ど派手なベンツです。走行している映像も流れていましたが、とにかく目立ちます。振り向かない人はいないと思います。
思いつくようで、誰もやらなかったことを実際にやってくれたといった感じです。ただ、これが似合う、というのは難しいかもしれませんね。叶姉妹か、それとも。
上のベンツは、普通には乗れないので、エンブレムぐらいをゴージャスに。それだったらいけるかもしれません。
トヨタのエンブレムですが、かなりゴージャスにつくられています。エンブレムはクルマの象徴なので、このほかにもエンブレムに凝ったクルマは多くありました。BMWのエンブレムで、青の部分が赤になっているものとか、オリジナルのものもありました。
ブレーキランプ/テールランプがハートになっています。かわいい小細工だと思います。
ブレーキランプはクルマのデザインとしては大事だと思うのですが、あまり気に入ったデザインのものがありません。スカイラインの丸目四灯も好きですが、それ以外にもいろいろあって良いのではと思います。
このブレーキランプは、私が期待していた「改造」の分野です。
音響設備と内装のど派手さでは度胆を抜く、OBAYASHI FACTORYのクルマです。この圧倒的なインパクトは、毎年楽しみです。普通に生活をしていると、ここでしか見られません。
燃費が悪そうですが、そういう次元のものではないクルマです。運転する際は、いろいろ取り除いたり、ハンドルを付け替えたりすると思いますが、春日部ナンバーを取得していましたので公道走行可能です。
今回のオートサロンで最も受けたのが、これ。人もかなり集まっていました。要するに偽パトカーですが、映画の撮影車とかとちがって、「偽らしさ」も十分にアピールしています。
正面には、「99%の遊び心と1%本気の芸術品」と書かれています。オートサロンは、モーターショーと違うので、やってみたいことをやってみるのが基本です。そうでなければオートサロンの魅力はありません。こんなネタを次回も期待します。
最後、口なおしに純白の内装です。これは純粋に美しいです。が、普通にクルマを使っていて、これが長つづきするとは、とても思えません。
リムジンのようなクルマで、花嫁をお送りするという手もあるような気もしますが、そういう何か実用性を考えたわけではなく、ただかっこいいものをつくった、ということなのでしょう。それだけに、見えざる圧倒的な贅沢さを感じます。